★公開日: 2022年5月30日
★最終更新日: 2022年5月31日
新型コロナウイルスで昨年までは開催されなかった「国際食品工業展」、通称「FOOMA JAPAN」ですが、今年はなんと!やっと!やあっと、6月上旬、つまりは来週から開催されることになりました。
そこで今回は、その内容や各種開催セミナーについてもチェックしていきたいと思います。

ここ2年開催しにゃかったから、今から楽しみなのにゃ。
この記事の内容 |
|
Contents
執筆者紹介と本日のポイント
まずは、ご挨拶を。

…とまあ、こんなぼくがこの記事を書いてます。
そして今回のポイントは、一言で言えば、ハイ。
「皆のもの、祭りじゃ祭りじゃー!」、です。
んじゃ、早速ながら本題に入っていくとしましょう。
祝「FOOMA」復活!
これまでは、毎年この時期に開催されてきた「国際食品工業展」、通称「FOOMA JAPAN」。
アジア最大規模、最大動員数の食品技術展示会であり、食品製造メイカーやその関連企業においては知らない人はいない著名な展示会です。

例えば「食の安全安心」に特化した展示会としては、「フードセーフティジャパン」がありますし、新たな技術、フードテックに特化した展示会としては、「フードテックジャパン」なども開催していました。
ですが、広く食品技術に関わる展示会として、最も規模の大きな展示会。それがこの「FOOMA JAPAN(国際食品工業展)」なのです。
つまりこの「FOOMA」というのは、広い意味での食品技術に関わるぼくらにとっての年イチの一大イベント。言ってしまえば、お祭りなのです。
とくにこの「FOOMA」は、品質関係の技術が関わることが多いのも特徴です。
にも関わらず、です。
3年前、2019年の開催の後、世界じゅうを襲った新型コロナウイルスによって、翌2020年、そして昨年2021年の開催が中止となってしまいました…。
今年はどうなるんだろう、と思っていたのですが、なんと!
嬉しいことに開催するというではないですか!


寧ろ「FOOMA」は、「最先端の食品ビジネスの流れを広く見渡す」という大人のテーマパークだにゃ。
なので、「普段は展示会には余り行かないけれど、でもこのFOOMAだけは毎年参加している」
そういう方もかなり多いかと思います。
事実、行かれてみるとよくわかるのですが、現在の食品製造の技術はどのようなレベルなのか、どんな新技術があるのか。
それのみならず、今の食品業界の流れやトレンド、向かう先や時代性などといった、いわば食品業界の地図を見渡し、どんな企業がどんなことをやろうとしているのか、その情報アンテナを磨くためにもまたとない最大の機会。
それがこの「FOOMA」だったりもするのです。
ですから食品業界に生きる者、そこを目指そうとしている方々はそりゃ参加は当然必須ながら、「食の安全安心」に興味を持つ者もこれ、ちょっと眺めておいて損はないでしょう。
とそんなわけで、祝、年イチの食品技術祭り、復活記念。
ここで一つ、食品衛生の専門家の目線から事前チェックしておくとしましょう。

「FOOMA JAPAN 2022」とは
そんなわけで、ぼくの手元にもこのように、ホラ。チケットが届いています。

では、ここでもう少し展示会の概要を見てみるとしましょう。
もっともより詳しいことは公式サイトを参考していただくとして、ここでは簡単に概要をピックアップしてみるとしましょう。
「FOOMA JAPAN 2022」開催概要 |
|

そう、つまりは「食の安全安心」の最先端を知ろう、情報を得よう、交流をはかろう、とまあそういう目的の「食の安全安心の最先端祭り」ですよ、とちゃんと書かれています(笑)。
で、「テーマ」は3年ぶりということで、「Restart FOOMA」。
つまりは「祭り再開」、みたいな意味ですかね(笑)。

あとはまあ、細かいこたあどうでもいいです。
取り敢えず、開催は6月7日から10日までの4日間。
そして会場は、東京ビッグサイト。
この基本情報だけ、押さえておきましょう。
そう、そういえば昨年までは東京オリンピックで、しばらく東京ビッグサイト東棟での展示会の開催が出来なかったのですが、ここにきて復活というのもまた嬉しいところ。
ちなみに参加する出展社はといえば、食品製造、加工に関わる業種の企業を筆頭にして、設備機器、包装・充填、エンジニアリング・ロボット・IoT、原料処理などなど。
さらにはぼくらのような、食品衛生の分野や検査、防虫対策、微生物対策、清掃洗浄などに至るまで、それこそ食品に関わる分野なら幅広く様々な企業が参加し、各社の最新商品やサービスを披露しています。
まさに「食の技術のニッポン力」、ここに来れば、世界トップクラスの最先端テクノロジーを知り、見ることができる、そういって過言ではないでしょう。
だからこそ、食品業界のトレンドや流れや向かう先までが一望出来る展示会だ、ということです。

出るべきセミナー、いらないセミナーはどれ?
さて。
展示会といったら、やっぱりセミナーも気になるところ。
いくら企業の無料セミナーなんて所詮は宣伝の場だろ、と分かっているとはいえ、、ついついチェックしたくなる。
まあ、そんなん興味のあるもの見れば別にいいじゃん、って思いもするんですけど。
ここでは食品衛生のプロであるぼくが、「あくまで独断と偏見だけで」ぼく自身が気になるもの、参加してみたくなるもの、また「これはいらんな」というものについて、ピックアップしてみることにします。
なので以下、「へー、こんなんやってるんだ」と思っていただければそれで十分、ていう企画です。
ただし。なにぶん、何の遠慮も忖度も全くなく、好き勝手にモノを言えるのがぼくの立場のいいところ。
なので、もし間違っていたら、すみません。
以下は、何の責任も後ろ盾もない、あくまでぼくの勝手な意見なので、ご自身で最終的には判断してください。
おっと、一つだけ。
コロナ以降多くの展示会が、その展示会参加はおろか、セミナーについても事前申し込みが必要です。
よって事前申し込みなしではいきなり行っても、そのほとんどが参加出来ないと思われますので、あしからず。

6月7日(火)のセミナー・シンポジウム
食品衛生のプロがチェックしたセミナー |
|
出展社のプレゼンセミナーなんて所詮はCMだから興味がある商品やサービスやってるとこだけ見ればいいじゃん、てのが基本であるのをそりゃ勿論と認めた上で、「とはいえ」で選んでみますね。
というわけで、初日はプレゼンセミナー数が少ないのですが、ぼくならこれが見たいかな。
新工場の建設プロジェクトというのがどうやって進められるか、設計屋の仕事に興味があるからです。
この時間でそこまで突っ込んだことを話すとはとても思いませんが、でもこういうのは漠然と知っているだけでも違いますからね。
一方で、いらないセミナーは、イカリ消毒さんの「食品事故防止の為の検査業務の応用~検査体制のご案内~」という「検査」についてですかね。
異物検査の事例あたりは知らない方は見ておいてもいいでしょうが、でもこの企業さんに本当に聞きたいのは、そんなことじゃないでしょ。
そして、この初日は「日本食品工学会フォーラム2022」として、麺の講演とフードテック講演が開催されていて、こっちのほうが遥かに面白そうです。
例えば研究者による「麺の科学」の話とか、大手日清製粉の品管トップによる「麺・パスタを考える」とか、どう考えても企業の宣伝に時間つぎこむより有意義です。
一方、初日のフードテック枠で「農業施設学会シンポジウム」というのが開催されています。
尤も、農水の役人さんの講演なんて、どうせ報告されていること以上を言わんので出ても意味が全くないだろうけど(こらこら)、でも大学の先生による「フードテックの現在と未来」なんてのは、切り口次第では面白そうですよね。

6月8日(水)のセミナー・シンポジウム
食品衛生のプロがチェックしたセミナー |
|
まずは出展社プレゼンセミナー。
実はファインテックさんというのは、防カビ処理技術としては一歩二歩秀でた企業さんです。(そのぶんお高いですけど、でも技術力は確かな実感です)
そこの微生物研究室の室長さんが出張ってしていただけるカビの話を無料で聞けるってのは、基礎くらいしかしないかもしれませんが、かなりアリじゃないですかね。
その他は、最新技術としてのトムラソーティングさんのAIによる自動光学式選別機、かな。
工場無人化のなんつねさんも、展示会の実行委員長やるくらいだからヘタなものはここに出さないでしょう。
逆にいらんのは、バーテックさんの「清掃・防虫で改善が進まない!ブラシで解決できた事例紹介」。
防虫ブラシの存在を知らない方以外は「それで?」感、漂うものなあ。
それと、この日はJFSMのお偉方が枠取って、午後に1時間半ほどありがたい「GFSI」の話をするみたいですね。
これは、この日の割と目玉にもなっているご様子。
といってもこの程度の時間じゃ、恐らくは「GFSIとはなんぞや」的な触り程度の解説しかしないんでしょうから、ぼくは出るつもりはないですけど、でも知らない方は出てもいいかもいです。
少なくとも、これからの時代は間違いなくHACCPの次にGFSIスキームが来ますからね。
今この段階で「は?何すかそれ?」という勉強不足の方はこれ、参加したほうがいいでしょう。

6月9日(木)のセミナー・シンポジウム
食品衛生のプロがチェックしたセミナー |
|
印字誤表記の問題と最新動向について、というのはちょっとぼくは知りたいなあ。
これ、チェックしてます。
他はどうなんだろう、よく判らないというものばかり。
国立さんによる「毛髪対策に有効な『着用案内』そのポイントと運用方法について」なんて、そんなん知ってるよ、という内容っぽいし、赤門ウイレックスさんの空調管理についての「Do する!?食品工場の空調管理!!」は、要するに陽圧管理をどう進めていくかってことでしょ?
聞く価値ありますかねこれら…。
中でもこの日にいらんのは、「SMC」さんの自社製品紹介セミナーじゃないですかね。
別に製品のCM聞きにいってもなあ…。
そんな企業宣伝よりも、この日はフードテックセッションが開催されて、テック系の講演とパネルディスカッションが予定されてますね。
こっち見たほうがよっぽど今の食品業界を眺められると、ぼくは思いますよ。

6月10日(金)のセミナー・シンポジウム
食品衛生のプロがチェックしたセミナー |
|
洗浄の業界では定評のライオンハイジーンさん。ここではオゾンを出してきましたか。これはちょっと見たいかな。
あとは全部、微妙ですね。
クレオさんのサニテーション事例ってのも薄っぺらそうだし、別にピュアテックさんの宣伝聞いてもなあ。
ここらは、ぼくはいらないっすね。
最終日は余り見どころがないなあ…と思っていたのですが、油断をしていたら思わぬ伏兵を発見。
「フードロスの講演なんか見ても」と思って内容を覗いてみたら、これがまあ意外と意外にも意外なくらい面白そうだったりしたのが、「農業食料工学会シンポジウム」のこれです。
なにせ講師陣がガッチガチにホンマモンな技術系でかためられているので、一つ一つのネタがかなりマニアック。
そのせいで一般層へのキャッチーさは皆無どころかマイナスなくらいなのですが、でもそのぶんディープな通受け狙いがハンパない。
ガチ勢な専門職以外には全く勧めませんが、ぼくのような専門家ならここでしょう。
何ならぼく、この日ずっとこれ見るために行きたいわ…。

まとめ
今回は年イチのビッグな食品技術祭り、「国際食品工業展」こと「FOOMA JAPAN 2022」について、その概要とセミナーチェックをさせていただきました。
繰り返しになりますが、先のセミナー評はあくまで「ぼく個人の至極勝手な思い込み、独断と偏見」にまみれた予想であって、そのような内容になっているかは全くもって定かではありませんので、ご注意ください。
ちなみに、ぼくはといえば、お仕事の都合にもよるのですが、6月8日か6月9日のいずれか、あるいは両方に参加を予定しています。
特に9日には見たいものも多いので、多分この日のセミナーには上で推薦したものを覗きに行くかと思います。
どうぞ、会場でお会いするとしましょう。
また開催後には反省会みたいな記事も書ければ、と思っています。それでは。