★公開日: 2022年5月18日
★最終更新日: 2022年5月19日

毎週水曜日は、ウィークリーニュースチェックの日。
出来るだけ、ここ一週間くらいに起こった食品衛生界隈のニュースをピックアップしていきます。

改めまして、皆様こんにちは。
食品衛生コンサルタントの高薙です。
ここだけしか聞くことの出来ない神髄中の神髄、
「プロが本気で教える衛生管理」を、毎日皆様にお教えしています。

 

都内コロナ療養施設でO166食中毒発生

いやあ、もうなんでしょうかねー、このところのどんより天気は。
このまま梅雨に本当に入ってしまうんでしょうか。
この低気圧のおかげでここ数日あまり体調がよくない高薙なのですが、それはそうと今週のウィークリーニュースです。

一昨日の記事にも触れた、東京都内の新型コロナウイルス療養施設内でなんと集団食中毒。
原因は「O166」と報じられています。

【都内コロナ療養施設で29人が食中毒…弁当のガパオライスなどから「O166」検出】
(2022年05月13日)
 東京都は13日、新型コロナウイルス患者の宿泊療養施設(新宿区)で、提供された弁当を食べた患者ら29人が食中毒を起こしたと発表した。下痢や腹痛を訴え、20歳代女性1人が入院した。全員が既に回復したという。
 都によると、弁当は港区のイタリア料理店が製造し、4月23日に提供されたもので、ガパオライスや湯葉とキクラゲのあえ物などから病原性大腸菌「O(オー)166」が検出された。同区のみなと保健所は、同店を13日から7日間の営業停止処分とした。…(以上引用)

(読売新聞)

コロナ療養施設での集団食中毒といえば、今年の初頭にノロウイルス食中毒が記憶に新しめなところ。
ウチでも扱いましたね。

【コロナ宿泊療養中の16人が食中毒 療養施設で出された弁当食べて】
(2022年01月27日)
新型コロナウイルスの宿泊療養施設の弁当を食べて、16人が食中毒の症状を訴えている。
大分県によると、大分市内にある新型コロナの宿泊療養施設として利用されている2つのホテルで、提供された弁当を食べた16人が、吐き気や下痢といった、食中毒の症状を訴えたという。弁当は、大分市の弁当店「松喜屋」のもの。
大分市保健所によると、1月20日から21日にかけて、この弁当店の弁当を食べた212人が、下痢や発熱などの症状を訴えた。
患者から、ノロウイルスが検出されたという。…(以上引用)
(FNNプライムオンライン)

で、今度は「病原性大腸菌」による集団食中毒が発生した、というわけです。

この「病原性大腸菌」(病原大腸菌)は、前々回にも説明したとおりです。

大腸菌というのは人間や動物の腸内にいる腸内常在細菌のことで、基本的には無毒です。
しかし、ごく一部ではあるものの、それらの中には食中毒など、ひとの健康を害するものも存在します。
それが「病原大腸菌」です。

例えば有名なところでは、「O157」などですね。
病原大腸菌(下痢原性大腸菌)には幾つか種類があるのですが、このO157はいわゆる「腸管出血性大腸菌(EHEC)」と呼ばれるものにあたります。
つっても、ここまでは覚えなくてもいいです。

さて、大腸菌と一重に言っても沢山の種類があります。
なので、この「O(オー)」というのは、大腸菌の特性(菌体抗原:O)を示したもので、そのそれぞれに解析を行った順に「O(オー)」の何番…とナンバーを付けていく。
つまり、「O157」というのは、その157番目に解析された「O:菌体抗原」の大腸菌だ、というわけです。

今回問題になった、この「O166」というのもまた、「下痢原性大腸菌」(病原大腸菌)の1つで、つまりは166番目の「O:菌体抗原」の大腸菌だという存在です。

参照画:O157
東京都福祉保険

…さて、と。
ここから少しばかり専門性の高いお話になります。
かなり難易度が高くなるので、一般の方は次の項にスルーしてしまっても大丈夫です。

ということで話を進めますが、今回の食中毒要因は、astA保有大腸菌O166」とされています。
「astA」つまり、「耐熱性毒素様毒素遺伝子」を保有した大腸菌だ、ということです。
で、このastA遺伝子保有大腸菌というのはいまだよく判っていないことが多い。そのため少し前までは病原性の有無が不明だったものです。

以前に病原大腸菌(下痢原性大腸菌)のお話をさせていただきました。

そしてそのとき、下痢原性大腸菌には5つの種類がある、ということをさらっとお話しました。
これですね。

「下痢原性大腸菌」
  • 腸管病原性大腸菌(EPEC)
  • 腸管組織侵入性大腸菌(EIEC)
  • 腸管毒素原性大腸菌(ETEC)
  • 腸管出血性大腸菌(ベロ毒素産生性大腸菌:VTEC)(EHEC)
  • 腸管凝集接着性大腸菌(EAggEC)

いや、これはこれでそのとおりなんですが、実は。
これ以外にも、「その他の下痢原性」があったりするのです。
それが、この「astA(耐熱性毒素様毒素遺伝子)保有大腸菌」です。

実際、この菌に対する病因性は現状でも定かじゃない。けれど、同じものが多数の患者の糞便や食品から共通して検出された場合のみ、食中毒の原因菌と認められることになっているんです。

つまり、今回のもそうだと思いますが、よくわからないのだけど、でも下痢の症状が共通していること、発症時間が共通していること、そして何よりも患者の糞便および弁当からも検出され、それらを遺伝子解析した結果が同一だったことから、これしかないだろ、と判定されたのではないかと思います。

挿画:食中毒

九州の小中学校の給食に金属異物混入が

福岡県の小中学校の給食で、金属異物の混入が連続している、と報じられています。

【給食に“金属状の異物”混入が相次ぐ 生徒の口の中に… 福岡・北九州市】
(2022年05月16日)
11日、福岡・北九州市の中学校で、生徒が給食を食べた際に、金属状の異物に気づきました。生徒は口の中でかんだものの、ケガはなかったということです。13日には、小学校でも給食を配膳した際、児童が金属状の異物を発見し、担任に報告しました。異物は、いずれも長さ2センチ程度のくぎのようなもので、校内の給食室や調理器具に使われているものではないということです。
(略)
この2校の給食は、別の場所で調理していますが、同じ業者から食材を調達していました。…(以上引用)
(日テレNEWS)

給食への金属の異物混入は本当に多いですねえ。

同じ九州は沖縄県でも、給食のフルーツに缶詰の金属片と思われる混入が見られたり、

三重県は伊勢市でも調理器具の破片と思われる金属片が混入するなど、

今週もそんな給食への金属異物混入が報告されています。

挿画:給食への異物混入

マイワシの豊漁で鳥取でアニサキス食中毒が急増?

鳥取県では、今年に入って9件のアニサキス食中毒が発生。
そのうち4件はイワシによるものだとのこと。

【胃痛や嘔吐「アニサキス」食中毒 鳥取県で昨年の倍以上のペースで発生…相次ぐ理由は?】
(2022年5月16日)
寄生する魚介類を食べた場合、激しい腹痛や吐き気に襲われる、寄生虫「アニサキス」による食中毒。
鳥取県内では昨年の倍以上のペースで確認されています。
(略)
鳥取県内でのアニサキス食中毒は、2021年は年間7件でしたが、今年は5月16日時点ですでに9件が確認されています。
(略)
実は、鳥取県境港市の境港では今年に入り、マイワシの豊漁が続いています。
2022年1月~4月のマイワシ水揚げの累計は2万5000トン。
これは昨年の同じ時期に比べて倍以上という豊漁です。
そのため、県内のスーパーの鮮魚コーナーには、獲れたてのイワシが格安で並ぶ日も少なくありません。…(以上引用)
(BSS山陰放送)

その因果関係が本当なのかぼくには全く確認不可能なんですけど、なんでも今年は鳥取でマイワシが例年にない豊作のおかげでその刺身が付近市場に出回りやすく、その結果アニサキス食中毒が連続しているという、マジすか記事。
今週はそこそこにあちこちで見られてましたね、これ。

ちなみにウチでもアニサキスについては、ぼくならではの目線で以前に扱っています。
よろしければどうぞ。

挿画:イワシ

スニッカーズにガラス片混入し大量ロット回収

チョコレートで知られる「スニッカーズ」にガラス片の混入が発生したため、大量のロット回収を行うことが報じられました。

【「スニッカーズ」約300万個を自主回収 一部商品にガラス片混入】
(2022年05月13日)
チョコレート菓子「スニッカーズ」の一部の商品にガラス片が混入していたとして、食品会社のマースジャパンは、対象の商品およそ300万個を自主回収することを明らかにしました。
会社の発表によりますと、中国の自社工場で製造している一部の商品について、購入した客から「ガラスのようなものが入っている」とか「商品を食べて歯が少し欠けた」といった連絡が、先月28日以降、合わせて4件寄せられたということです。
会社で調べたところ、長さ7ミリ程度の透明なガラス片が商品に混入していたということで、異物が混入していたものと同じ製造ラインから出荷された商品について自主回収することを決めました。…(以上引用)
(NHK)

うーん、これは普段は食品メーカー側に寄り添いがちで贔屓目のぼくからしてもちょっと、ないなあ。

しかもこれ、同クレームが複数寄せられている。
ということは何らかの工程上でガラス片が混入するような事件が起こった。にもかかわらず製造を続けている、っておかしくないかこれは。
そもそもガラス片が生じるような事故が生じたら、一旦作業をストップさせ、その途中ロットを廃棄するのが当たり前でしょ。
しかもこれを起こしたのは中国のとはいえ、ここの自社工場だという。どういう一体管理と教育してんだ?

これ割と重要なニュースなので、別枠で扱いましょうかね。

参照画:スニッカーズ

タニサケ「いちばん大切にしたい会社」大賞で、特別賞に

岐阜県にある害虫駆除剤メーカー「タニサケ」が、その独自の福利厚生制度によって「日本でいちばん大切にしたい会社」大賞の審査委員会特別賞に選ばれました。

【害虫駆除剤のタニサケ 「いちばん大切にしたい会社」大賞で 特別賞を受賞】
(2022年05月17日)
 害虫駆除剤を製造販売するタニサケ(本社岐阜県池田町片山2957の1、清水勝己社長、電話0585・45・8555)は、独自の福利厚生制度で社員の能力を引き出し、生産性向上につなげている。
(略)
こうした点が評価され、このほど「日本でいちばん大切にしたい会社」大賞(実行委員長=清成忠男・元法政大学総長)の審査委員会特別賞に選ばれた。…(以上引用)
(中部経済新聞)

……ふーん、で?

と普通はなるだろう、そんなローカルニュース。
でもこのタニサケさんの商品を知っていると、「おおーっ、あの!」となります。

このタニサケさんというのは、「ゴキブリキャップ」で成り立っている会社なんですね。
といって、まあ普通は「何それ?」となるでしょう。

「ゴキブリキャップ」というのは、ゴキブリ駆除用のいわゆる「ホウ酸団子」です。
そしてその市場で出ている「ホウ酸団子」のうち、ぼくが知る限り20年くらいのレベルで圧倒的な効果を誇っている、そんなゴキブリ駆除薬剤トップオブトップが、この「タニサケ」さんの「ゴキブリキャップ」です。

ぼくも現場駆け巡り(今もそんな変わらないですけど)時代は本当に活用させていただきました。
今度改めてこの「ゴキブリキャップ」の記事は書くとしましょう。

参照画:ゴキブリキャップ

いやあねえ、「ゴキブリキャップ」は画期的なくらいにクロゴキブリに効きのですよ。
しかも持続力も高い。
でもねえ、一つだけ仕方のない難点がある。
で、それを克服する裏技があるんだ。
おっと、それについては別記事でやりましょう。ではまた来週。

 

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