★公開日: 2022年4月13日
★最終更新日: 2022年4月14日

毎週水曜日は、ウィークリーニュースチェックの日。
出来るだけ、ここ一週間くらいに起こった食品衛生界隈のニュースをピックアップしていきます。

改めまして、皆様こんにちは。
食品衛生コンサルタントの高薙です。
ここだけしか聞くことの出来ない神髄中の神髄、
「プロが本気で教える衛生管理」を、毎日皆様にお教えしています。

挿画:4月

 

スイセンの集団食中毒発生

やー、先週でもう桜も散ってしまいましたねえ。

地獄の年度末の釜が、ようやく桜の開花で閉まったかと思ったら、もう新年度がスタート。
我が高薙家では今年は関わりなかったのですが、今週が入学式だ、なんてご家庭の皆さんも少なくはなかったんじゃないでしょうか。

そんなわけで、年度変わりでそんなに大ネタも少ない今週。
もう、そそくさと行っちゃいますね。

といっても今週は割と地味めです。
まずはここから。
この間に「有毒植物による食中毒」のお話をしましたが、早速きましたよ。この時期らしく。
しかも珍しく、有毒植物による集団食中毒だと。

【給食でニラと間違えスイセン、園児12人が食中毒 子育て支援施設で】
(2022年04月12日)
京都市保健所は11日、市内にある民間の子育て支援施設で4~6歳の園児12人が吐き気や発熱などの症状を訴え、給食が原因の食中毒と断定した、と発表した。
給食でニラとして出した食材が、有毒成分が含まれるスイセン類だった。

発表によると、7日正午ごろ、施設内で調理し、給食で出した「ニラのしょうゆ漬け」を食べた園児や職員77人のうち、園児12人が約15分~2時間半後に吐いたり、発熱したりした。
すでに全員が回復している。…(以上引用)
(朝日新聞)

前にも書いたように、この時期になると必ず毎年発生するのが、「有害植物による食中毒」です。

で、この有害植物による食中毒については、ウチでもついこの間にがっつりとこれまで解説してきているので、まずはこちらをご覧ください。

さて。
この「有害植物による食中毒」なのですが。
この食中毒というのは、基本的に患者数が少ない、というのが極めて一般的です。
というのも、食用植物と間違えて野草などの有害植物を的が得て食べてしまう、というのは一般的に家族単位(やもすれば単独で、いや、東北の農村の農家で発生することが多いので、多いのは老夫婦単位ですが)で発生するものなので、まずは集団食中毒にはならんのです。

ですが、今回かなり珍しいケースで、なんと12人という。
これは恐らくですが、単体の有害植物による食中毒においては、かなり最多なほうじゃないだろうか。

その原因は、給食の材料になった、ということ。
それで患者数が一気に増したのですね。

ちなみにニラと間違えたというスイセンは、この「有害植物による食中毒」においては突出して一番多い最有力食中毒原因物質です。
詳しくは、次の記事を今一度確認してみてください。

挿画:スイセン

伊丹空港でアルゼンチンアリ繁殖確認!?でも他にも…

次のニュースは、外来種昆虫ネタです。
伊丹空港で、アルゼンチンアリの営巣確認が報じられています。

【伊丹空港で“アルゼンチンアリ”の繁殖確認…「巣はスーパー大家族」専門家に聞いた生態と懸念】
(2022年04月10日)
大阪府と兵庫県にまたがる「伊丹空港」(大阪国際空港)で、特定外来生物の「アルゼンチンアリ」が繁殖していることが分かった。
在来種が脅かされる恐れもあり、注意が必要な状況だ。…(以上引用)
(FNNプライムオンライン)

さて。
ここで、こうしたニュースの捉え方を、こっそりお教えしましょう。
ぼくら防虫管理に関わる業種、ペストコントール、PCO業界に生きる身にしてはよく知れていることなのですが、でも一般的には全く知られていないこと。
それは、そもそもからしてこうした報告は「結構事実が進んでいて、やむなく公式に調査したら、やっぱりそうだった」というのが基本だ、ということです。

あーあ。
ついに言っちゃったよ。本当のこと。
でも、まあ考えてみれば、そんなものだと思いますよね。
だってそう、実際にそういうもんなのです。

で、もう一つ重要なのは、伊丹空港にいるということは、もっと他にいる、ってことです。
ここだけのわけがありません。
何故ならもう少し正確に言うなら、「ここでしかいない」のではなく「ここで調査して生息が確定されたから判明した」ってことだ、ということだからです。

いやね、これね、アルゼンチンアリならまだマシなんですよ。
でも毒を持つものだったら、どうですか?
で、それが実はすぐ自分の生活圏に普通にいたらどうですか?

いやあ、ないわーーーwwwwww

…って思いたいですよね?

でもこれが、例えば普通に東京都内だったら、どうですか?
皆がよく行く東京の観光地だったら、どうですか?
都内の小学校とか、公園とか、病院とか、商業施設とか、めっちゃきれいでオシャレで安全そうな空間のすぐ付近だったらどうですか?

あのですね。
ぼく、こう見えても横の業界の繋がり強いんで、そんな専門家情報だけは強いんですけど。
で、悪いですけど。

毒グモって、都内の公園とか、そこらへんにも割といますよ?

挿画:セアカゴケグモ

セアカゴケグモって結構そこらにいるってマジ?

で、次のニュース行きましょか。

【かまれると全身に強い痛みも…保育所でセアカゴケグモ駆除】
(2022年04月10日)
京都府舞鶴市浜の市立うみべのもり保育所で今月に入り、特定外来生物で毒を持つセアカゴケグモ1匹が駆除された。
近くのテニスコートでも昨年10月に発見例があり、市は周辺の施設にはり紙をして、見つけても触らないよう注意を呼びかけている。…(以上引用)
(読売新聞)

京都の保育園で、毒蜘蛛であるセアカゴケグモが1匹駆除された、ってニュースなんですが。
これもやはり同じですね。まあ、そりゃちゃんと調査してないからそういう結果になるわなってところでしょうか。

つまりこれは、セアカゴケグモがそのくらいの生息がある」ではなくって、「依頼されて調べてみたら生息していた」というわけなので、「そりゃいるところを調べたんだからいるだろ」という結果だということです。

ちなみにヒアリもそうですよ。
品川区の方々、ちょっと警戒したほうがいい、とだけは言っておきます。

そしてこういう話はネットワークを業界内に貼っていると、自ずと回ってくるものなので。
しかもぼくも当然プロなので、そのなかで「このくらいならブログネタで出せるだろ」をチョイスして、こうやって本当のことを話しています。
今回はそれを本ネタにはしていないので、このくらいにしておきましょうか。
ま、近く別にそれで書くとしましょうか。

挿画:ポイント

改正食衛法でキッチンカー業界にも変化が?

最後のネタはこれ。
これ、今度ちゃんとどっかで扱います。

【法改正で可能になった車内仕込みができるキッチンカーで憧れの移動販売デビューも夢じゃないかも!?】
(2022年04月07日)
限られた調理スペースでおいしいメニューが次々できあがるキッチンカー。一見店舗レスで開業できるように見えますが、実は以前の食品衛生法の下では、車内でできる調理には制限があり、例えば「材料を切る」「混ぜる」「下味を付ける」といった下ごしらえを車内で行うことは不可とされていました。
ちょっと複雑な工程のメニューを提供するためには、別途営業許可を受けた調理施設で下ごしらえをしておかねばならず、現実的には「誰でも車1台ですぐ開業!」というわけにはなかなかいかなかったのです。
しかし中食・外食の需要増加などを背景に、2018年に食品衛生法等の一部を改正する法律が公布。
2021年6月より施行された改正・食品衛生法では、新たに定められた設備要件を満たすことで、それまで保健所から許可されなかったキッチンカー車内での仕込み行為が認められるようになりました。
仕込み場所が確保できなくても開業できるということで、独立・起業を希望をする人にとっては資金面でのハードルがぐんと下がったというわけです。…(以上引用)
(GOODS PRESS)

要するに、昨年施工された現改正食衛法で、キッチンカーの営業許可が緩まった今がチャンスですよ、という悪魔(?)の誘いですね。
とはいえぼくは食品衛生のプロであって、飲食業界、飲食経営のプロでも全く何でもないので、それが正しいのかどうかは欠片も判りません。

ですが、とりあえず食衛法上、どのように変わったかというのは押さえておかないといけません。
一言で言うと。
まず、キッチンカーは「飲食店営業」の許可に統合されたとともに、手洗い用の水栓設備が必要になります。
そして、その給排水設備のタンク容量にも細かい違いが出ています。
これちょっと、別に解説するとしましょう。

挿画:キッチンカー

というわけで、今週はこの辺で。
ではまた来週。

挿画

 

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