2022年、あけましておめでとうございます。
本年度もよろしくお願いいたします。

というわけで改めまして、皆様こんにちは。
食品衛生コンサルタントの高薙です。
ここだけしか聞くことの出来ない神髄中の神髄、
「プロが本気で教える衛生管理」を、今年もこれからまた毎日皆様にお伝えしていく所存です。

挿画:2022新年

 

新年のご挨拶

実を言うと、これを書いているのが、1月11日。
ぼく自身のお仕事も、新年を迎えて少しずつ準備を進め、そしてこの連休の後からやっとガッツリ本格開始、です。
年初に降って関東を沸かせた大雪は、まだちょっと残っている。
そんななかからの、新年のスタートです。

さて、前回の更新が12月半ば。
ついつい年末の忙しさのなかで、すっかりと更新が滞ってしまいました。
いつも見ていただいている方々、申し訳ありません。
今年はそんなことのないよう、もっともっと頑張っていきたいと思っています。

折角なので、「2021年の食の安全は」みたいなお話をしようと思うのですが、これに関してはがっつりと書き向かわないといけないので、この週末までもうちょっとだけお待ちください。
今回はあくまでかるーい、個人的なご挨拶からのリハビリってことでお許しください。
(と言いつつ、バリっと次ではしっかり新年早々に押さえるべき2022年のキモを示していますがね!)

挿画:2022年新年

新年早々のニュースチェック

折角ですから、昨年の末から年始早々(という時期も終わってしまっていますが汗)に報じられた食品衛生関連のニュースを少しばかり見回ってみるとしましょう。
正直なところ、年末年始にかけてはまだ「これ」というものはなかったりもするんですけど、でもこういうリハビリにはもってこいかな、と。

挿画:2022年新年

小中学校の給食牛乳にアルカリ洗浄剤が混入

まずは、異物混入絡みから。
昨年末の話ではあるのですが、大阪市の小中学校で、給食の牛乳を飲んで体調不良になる生徒が続出。
調査をしたところ、原因は、牛乳の製造業者が誤ってアルカリ洗剤を混入していたことがわかった、とのことです。

大阪市立小学校の給食で牛乳を飲んだ児童らが体調不良を訴えた問題で、市は28日、過って牛乳にアルカリ洗浄剤を混入させたとして、牛乳製造会社「いかるが乳業」(同市平野区)に食品衛生法に基づく行政指導をしたと発表した。

この手の地元牛乳工場は、実はかなり小規模だったりします。
従業員が十数名、いやもっと小さいところだっていくらでもある。
で、そんな工場で製造した牛乳にアルカリ洗剤が混入です。

牛乳の製造工程は、通常、加熱殺菌から充填までパイプラインで行われます。
ですから製造後は、当然ながらそのパイプ内に牛乳が残ったままとなり、これを放置してしまえば腐敗、最悪は食中毒菌の生存、増殖した牛乳によって汚染されてしまうことになります。
なのでそれらの牛乳の除去を含めた洗浄のため、アルカリ洗剤が使用されるのです。

勿論ながら、その後、このアルカリ洗剤は最後に洗浄ですすがれることになるのですが、それを怠ると、今度はパイプ内にアルカリ洗剤が残ることになります。
ですからそれを知らずに再びラインを稼働させれば、牛乳内にアルカリ洗剤が混入することになります。

細かいコトの顛末は知りませんが、ぱっと考えるに、概ねそのようなことでも起こったんじゃないですかね。


MBS NEWS

アサヒ飲料がAIでの微生物迅速検査法を独自開発

続いては、新年らしい新技術開発ネタを。

報じられていたのは去年の年末、あるいは新年早くでしたが、アサヒ飲料が、業界初のAIによる微生物迅速検査法を開発した、とのこと。
しかもこの2022年内に工場導入を考えているということです。

アサヒ飲料は23日、出荷前の飲料の品質検査にAIを活用したシステムを開発したと発表した。カビなどの混入物の有無をAIが自動で判別する。
従来の方法と比べて作業時間を年間180時間短縮でき、導入コストも7割抑えられる。2022年に自社工場に導入し、同業他社へのシステム販売も視野に入れる。

一般的に、その製品の微生物検査を行う場合、ごく普通のやり方で製品からサンプルを抜き取って、そのなかの細菌を培養したら、それだけで48時間、カビならもっと長い時間がかかりますし、そこからそれを検査するわけですからプラスその時間がかかってしまいます。
勿論、それ以外にも幾つか方法はないわけではないが、どれも一長一短。

そんななかでこの蛍光顕微鏡を用いた蛍光染色検査の注目度が高まってきたわけなのですが、それをより推し進めながら、さらにはAI化させたのがこのアサヒの取り組みです。

また別回に書きますが、この2022年の食品業界における目玉が、フードテックです。
昨年2021年はフードテック元年と呼ばれましたが、それに続く2022年も様々な技術が生まれ、世に出ていきました。
こうしたAI化は、それらの一つ、検査分野、検品分野においてもこの1年で大きく革新を進めていくことでしょう。
それを象徴するような、年初のニュースでした。

参照画:アサヒ飲料
アサヒ飲料

冷食業界、2021年も堅調。2022年も継続か?

さあ、次。
肩慣らしも終えてきたので、そろそろちょいと本腰入れていきましょか。

こないだ、昨2021年の家庭用冷凍書KY品の年間販売金額統計が出されていました。
あの新型コロナウイルス直下、巣ごもり消費直撃をくらって需要が爆増した一昨年、2020年に対して、1.9%減。
これは落ち込みというよりも、むしろ市場として堅調が続いている、と評価すべきなのではないでしょうか。

2021年1~12月の家庭用冷凍食品の販売金額(KSP-POS調べ)は、前年比1.9%減だった。
2020年に新型コロナウイルスの感染拡大による「巣ごもり消費」で需要は急増しており、2021年は若干落ち込みが見られた。
業界関係者によれば、「2021年は想定よりも落ち込みが少なく、堅調に推移した」と振り返る。

しかも報道によれば、2020年に大きな伸びをみせた「冷凍麺」はそうは見られず、「調理冷食」の下落影響は少なかった。

どういうことか。
「今後もしばらく、冷凍食品は人気上昇市場だ」ということです。

だから2022年は、「健康食品市場」や「プチ贅沢食品市場」(※注釈1)などと並んで、この「冷凍食品市場」が間違いなく注目市場となるでしょう。
つまり、これらの市場はぼくらもまたしっかり見ていく必要がある、ということです。

何故か。
人気や注目の集まる、つまりは上昇気流にある市場というのは、当然ながら投資対象になりますし、つまりは当然ながらお金がそこに集まり、注ぎ込まれる市場だということです。
そして当然ながらそこには新技術、先端的なアイディアやサービスが集まりますし、ぼくらの本業である品質管理、食品衛生のレベルだって、それに合わせて、そりゃ自ずと高まっていくのが当然だから、です。

まあ、普通に考えれば、そうですよね。
でもこういう意識、食品衛生の業界には、滅茶苦茶薄いものです。
規範的な「せねばいけない」意識や、マニアックな専門知識ばかりが先行するので、こういう意識に本当に、弱い。
違うのです。そうじゃない、市場動向を見ないと時代に遅れるのです。
まあぼくはそれらと差別化を図ることで生計が立つ身なので、「どうぞ、いつまでもそうしていてください」なんですけどね(笑)。

ってそんなことはさておき。
事実、ここ数年でぼくら日本人の意識は、「今の冷凍食品って美味いな!」ってなっていますよね。
かつては、低品質、健康に悪い、所詮はお弁当のおかず。そう思われていた冷凍食品でしたが、今では普通にレストランで使われています。
いや、昔から使われてはいたのですが、その使われ方も変わってきています。
で、それでもいいか、美味しいから、とすらなっています。

実際、冷凍食品は美味しくなっている。
そしてこのパンデミック下で、更に美味しくなっている。
どういうことか。
ニーズに合わせて、急激な技術革新が求められ、進んでいるんです。
それも最先端の科学技術、DXの粋が。

例えば、冷凍技術。
超低温帯急速冷凍機の普及から低価格化、小型化など。
そして、それにあわせた商品開発の大きなステップアップ。
温度管理のトレサビリティ技術から、物流技術、等。

そして、日本の競争力が国際的に落ちていくなか、残された成長産業、世界に立ち向かえる産業に何が残っているかといったら、実は「食品産業」なんです。
だって、ちょっと考えてみてください。
日本の食は、やっぱり美味い。
つまり、日本の食品製造技術は、高い。
そんな「日本の食」を世界に届けるには、実際に商品として世界に送り出すには、どうすればいいか。
海外に工場を設立する、それもあるでしょう。でも、もっと手っ取り早いものがありませんか?
そう、保存のきく冷凍食品です。

で。
こうしたことが進めば、当然ながら製造工程で「そこにどんな潜在的なリスクがあり、それをどう管理するのか」を定めていく必要があります。
そうなれば、それ特有の問題がはらむことになり、それを解決するための衛生管理のノウハウが求められることになります。

そういうわけで、ぼくらもまたこうした業界の流れをしっかりと押さえていく必要がある、というわけです。
「2022年の食の安全を語ろう企画」はまた別に行う予定ですが、この冷凍食品市場の活性もまた外せない大きなポイントの一つといえるでしょう。

挿画:冷凍食品

※注釈1:あと、これらに並んで案外とこの「意識高い系」とは逆の「意識低い系」も見逃してはいけません。
「意識低い系」、つまりはジャンクフードや爆食い系、コストコ系、高アルコール系などです。
これらもまたコロナ禍の産物として、続く2022年も注目市場となっていくでしょう。ここ、意外と見逃しがちです。

カルビーのポテチにラッキーな異物混入?

…さ。
本腰を終えた最後は、新年らしいユルネタで終えるとしますね。

カルビーのポテトチップスのなかに、星★をくり抜いたような一枚が混入していた、というほっこりニュースです。

鹿児島県の放送局、南日本放送(本社、鹿児島市)のアナウンサー岩崎弘志さんは6日、自身のTwitter(@iwasakikoji0326)を更新。
「こんなんあるの!? 何百袋も食べてるのに知らなんだ・・・」とポテトチップスの写真を投稿しました。
岩崎アナがつまんだ1枚は星形に「型抜き」されたもので、星の数はなんと5つ。

どうやらこちら、通常はあげ具合の確認のために目印をつけた一枚が誤って混入したのだとか。
新年早々のほっこり異物混入、でした。

まとめ

今回は年始のご挨拶ということで、年末年始のニュースをピックアップしてみました。
まだ本格的な報道はこれから、といったところですが、2022年に向けた新たな技術だったり、2022年の業界動向を示すようなものも、地味に出てきたりしています。

今年もまたそんな食品衛生の現場から、様々な情報をお届けしようと思っています。
どうぞこの1年も、よろしくお願いいたします。

挿画:新年のご挨拶