★公開日: 2021年10月26日
★最終更新日: 2021年10月28日
緊急事態宣言も解かれ、ようやく日常が取り戻されつつある中、やっと!食品衛生の展示会「フードセーフティジャパン2021」が、明日2021年10月27日から開催されるようです。
そこで、その内容や各種開催セミナーについて、チェックしていきたいと思います。
改めまして、皆様こんにちは。
高薙食品衛生コンサルティング事務所です。
ここだけしか聞くことの出来ない神髄中の神髄、
「プロが本気で教える衛生管理」を、毎日皆様にお教えしています。

Contents
明日から「フードセーフティジャパン2021」開催
さて、こんな昨今のこと。
昨年から軒並み様々な大規模イベントが中止されていることは、もう皆さんもそれこそとっくにご承知かと思います。
しかし。
そんななかで明日から!
食品衛生関連の展示会「フードセーフティジャパン2021」が開催されることになりました。

「フードセーフティジャパン2021」の概要 |
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そう、そうなんです。
「フードセーフティジャパン」が、明日2021年10月27日から三日間、東京ビッグサイトにて開催されることになったのです。
いやあ、なんだか勝手に感慨すら覚えてしまいますよねー。
というのも、コロナ禍真っ只中だった昨年。
実は2020年の10月は7日から9日にかけて、「フードセーフティジャパン2020」が、相当に危ぶまれながらも開催されたのです。

この開催は、当時においては、かなりの英断といえるものだったと思います。
何せ、新型コロナウイルスが猛威を奮っていた2020年、この規模のイベントは完全に吹き飛んでしまっていましたからね。
そもそも、食品関連の展示会で最もメジャーなもののといえば、やはりなんと言っても「国際食品工業展」(FOOMA JAPAN)です。
昨年前までは、毎年初夏に開催される日本最大、いや東アジア最大の食品関連イベントでした。
しかも昨2020年は、いつもの会場、東京ビッグサイトがオリンピック会場となっていたため(延期で今年の開催となりましたが)、大阪で開催される予定でした。
よってその準備も着々と行われていたのですが、しかし。
あの予想外、規定外、まさかの、コロナ直下ですよ。
しかも思い起こしてください。昨2020年6月といえば、一番最初の大規模な自粛期間がやあっと終えた頃合い。
とてもじゃないけれど、こんな大きなイベントの開催はできませんでした。
結果、開催はやむなく、中止。
まあ、仕方ありませんね…。
ホント、誰のせいでもありません。
仕方なかった、としかよもや言いようがありません。
で、そんな昨年の秋に開催されたのが、昨年の「フードセーフティジャパン2020」だったのです。
まさか、開催するとは。
そんな驚きすら感じられたのが、昨年の「フードセーフティジャパン」でした。
そして、あれから1年。
やあーっと。
コロナも少しずつ落ち着いてくるなかで、明日から開催されるのが、その昨年から継ぐ「フードセーフティジャパン2021」だ、というわけなのです。

「フードセーフティジャパン2021」とは
さて、今回で12回目の開催となる、この「フードセーフティジャパン」。
ではその「フードセーフティジャパン」とは何なのか。
少しずつ解説していきましょう。
この公式サイトのトップにもあるように、「フードセーフティジャパン」とは、「食の安心・安全」のための最新技術を各社が揃えた展示会となっています。
つまりは、食品衛生の展示会、です。

フードセーフティジャパン(略称:FSJ(エフエスジェイ))は、”食”の安全・安心を提案する最新設備・衛生資材・サービスの専門展です。
12回目の開催となる本展では、HACCP対応をはじめ、異物混入対策、衛生資材や微生物コントロールなど、専門性の高い製品が一堂に集まり、品質管理部門や経営層との濃密な商談を目的としています。
このように「フードセーフティジャパン」とは、その名から想像するような、「食の安全・安心」を実現する機器・資材についての展示会です。
よって、フードディフェンスをはじめ、広く食品衛生、異物混入対策、食中毒対策などに関わる展示が多いのが特徴です。
ですから、先に「国際食品工業展(FOOMA JAPAN)」のお話を出しましたが、こちらの「フードセーフティジャパン」では専門的に食品衛生をダイレクトに扱っているのが特徴です。
だから来場者も、私のような食品衛生のプロは勿論のこと、具体的には食品企業の品質管理さんや経営者がメインターゲットとなっています。
以下は昨年開催の「フードセーフティジャパン2020」の展示内容として紹介されていたものですが(今年のものには見られませんでした)、まあ概ね、というかほとんどそのまんまのものとなっているでしょう。
「フードセーフティジャパン2021」の展示内容 |
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「HACCPビジネス」の先端はどうなっているのか
さて、これらのなかでもここ近年、最も注目度の高まっているもの。それがHACCP関連ビジネスであることは言うまでもないでしょう;。
よって本年度の「フードセーフティジャパン」もまた、HACCPにまつわる様々なサービスがその中心になっていることは言うまでもありません。
要するに今年の「フードセーフティジャパン」というのは、一大HACCPビジネスまつりだ、ということです。
てことはつまり、ですね。
えーと。
昨年、この「フードセーフティジャパン」の開催を前にして、「プロ」として本音を晒した内容。
それをまたここに掲載したいと思います。
これはあくまで昨年の「フードセーフティジャパン2020」に参加する前に抱いていた、ぼく個人の意見です。
ここ数年ほど、それまで「HACCP?え、何それ?知らねーんですけど(鼻くそほじりながら)」なんて輩どもが、ゼニの匂いにつられて我も我もとこの機会にこの業界にこぞってわらわらとやってきています。
結果、ろくに知りもしない知識で、現場も知らないのに謎のIT俺様ヅラで、薄っぺらいサービスがこのところやけに横行している始末。
で、そんな連中がですね、今年はこぞって企業ブースをここに作ってニコニコ並んでいるわけです。
なのでこの展示会はそんな、世にはびこるニワカ「HACCPビジネス」に果たして価値があるのか、あるいはないのか。
それが本当に考えられて作られた本当にいいサービスなのか、どうなのか。
それを見定める、またとないチャンスだというわけです。ですから、来場する皆さん、よーく見てやろうじゃないですか。
今回、ここに出ている企業の姿勢を、製品を、商品を、よーく見るとしようじゃないですか。
ウワッツラのしょうもない宣伝に惑わされることなく、とくと見てやろうじゃないですか。そのサービス、その商品、その製品、本当に意味あんの?大金出して買う価値あんの?と。
底、浅くねーか?と。
取ってつけたようなニワカ感ねーか?と。
おめーんとこ、本気で食品衛生に関わっていこうと、それガチに思ってんのか、と。
一企業として、本当に食品衛生をよくしようと本気で取り組んだ結果がこれなのか、と。
そこらへんの本気ぶり、取り組みの姿勢を、しっかり見定めにいくとしようじゃないですか。
さあ、さすがにあれから1年が経ちましたよ。
ちょっとは事情が変わってきたか。
そんな印象も少なからず、ぼくは抱いています。
なのでそのあたりを、ぼく自身はよーく、見てきたいと思っています。

同時開催の展示会もチェック
しかもこの「フードセーフティジャパン」には、同時開催の展示会がそれ以外に5つもあります。
小規模ではあるものの、互いに関わり合うこれらの展示会も同時に見れる、というのも「フードセーフティジャパン」の醍醐味の一つでしょう。

同時開催の展示会 |
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えーと、「フードシステムソリューション」というのは、給食やセントラルキッチンなどの大量調理施設対応の展示会。
そして次の「フードファクトリー」というのは、食品工場の機器設備関連の展示会。
ここらへんは、特にこの「フードセーフティジャパン」に関わってくるものとなるでしょう。
それから、食品物流に関わる「フードディストリビューション」。
中食・総菜製造に関わる「惣菜・デリカJAPAN」。
そして昨今注目を集めている、「冷凍食品製造」に関わるのが「冷食JAPAN」だといった内容となっています。

チェックしたいセミナーはどれ?
さて。
こうしたイベントでは展示物もさることながら、やっぱりセミナーが気になりますよね。
そこで、食品衛生のプロであるぼくが気になるところについて、ピックアップしてみましょう。
ぼくなりに、開催3日間で「これ!」というセミナーを選んでみました。
何分、何の遠慮もなく好き勝手にモノを言えるのがぼくの立場のいいところ。
間違っていたら、すみません。
以下は、何の責任も後ろ盾もない、あくまでぼくの勝手な意見なので、ご自身で最終亭には判断してください。
それと。
いやあ、その「忖度なく言える」身なので、言わせてもらうんですが。
所詮は大人数相手に、薄い共通話題を話さなければいけないのが、この手の無料セミナーです。
しかも企業が責任をもって得意先を呼んで行う講義ではなく、あくまでただの大きなイベントの「売り」の一貫としての無料講習会ですから。
タダってのは、そんなもんです。そんな価値です。
だからそりゃあやっぱり商品のPRだったり、あるいは売名だったり、プロの片手間だったり、「ここはどうぞおひとつ!」みたいな、おえらい先生や役人さまを機嫌よくする舞台の1つだったり。
まあ、こんなところが実際はほとんどです。
なので、有益さを求めた、過度な期待は最初からしないほうがいいだろう、というのがこういうものの原則は捉えておきましょう。
以下もあくまでそれらの上での、お話です。

牛乳・乳飲料製造工場の衛生管理の進め方と実務

初日10月27日、ぼくは参加出来ないのですが、でもばばーっとセミナー一覧を眺めて、一番参加してみたいなーと思ったのがこれでした。
まあね、プロからすれば、例によってしょうもない、これいらんわ、ってのも多いわけです。
例えば、前に一回挙げた「カミ○シ」なるスタートアップベンチャーの講義を聞いたとことで、ドシロウトが金払って釈迦に説法ならぬ広告をするのですから、何をいわんや。
「簡単な改善でできるHACCP実践」ってのもありますね。
一般衛生管理、なかんずく洗浄についてのお話でしょうか。
まあ、でもこういう本物のプロは、無料の講習会じゃ話すことも「それなり」ですからね。
だって、ぼくがそうですからよくわかります。
(ここでは結構サービスでよく話してしまいがちですが、有料しか話さないことだってそりゃメタクソ多いです)
で、そんななかで一番身になるものは何かと言えば、「こうやってみたら良かった」という実体験話なのです。
世の中何でもそうですけど、「やってみて判ること」「成程こうかと思うこと」ってありますよね。
こういうことは、実はウンチク以上に重要だったりするんです。
何せ他人の経験を、時間や投資のコストなしに知れるわけですから。
なので、迷ったらこういう「やってみた」に出るのが、実は一番手っ取り早いです。
しかもこういう講義では、さらにその失敗を踏まえた今後、つまりは「次はこうやってみる」が聞けるケースが多い。
自分で失敗コストを払わずにそれを学べるのは、いわゆる「コスパが高い」ってやつです。
特に製品特性上、牛乳は衛生管理レベルが高いですし、ぼく個人この工場を知っていますので、その品管部長さんのお話というのは、予定があえばぜひとも聞きたいところだったりします。
大量調理施設で発生した病原大腸菌食中毒の現状と課題

10月28日、二日目では、断然にこれですね。
三○の素人によるHACCPナビなんて時間の無駄ですし、ネズミ害虫の遠隔モニタリングなんたらも、技術の存在を知るのはいいですけど、正直あと10年はここらへんはやれ遠隔でできるなんてレベルにありません。
この程度の企業がどうこうできるものでは、現実的にないと「ぼく自身は」思ってます。
あ、「ぼく自身は」と言ってますが、その「ぼく」はそこらの「ぼく」じゃないですよ?
内実を、よーく、いやマジで、誰よりもこの業界のことを深くよく知っている身で、言っているのです。
そんなぼくが、二日目に見たいのは、これ。
「病原大腸菌食中毒」っていうテーマ設定も、リアルでいい。
しかも講師も叩き上げの検査屋。
何を話すかは勿論わかりませんが、ちょっと期待してもいいんじゃないでしょうか。
After コロナ With HACCP ~安全を安心につなげる~

あまり見たいものが、見当たらない三日目、10月29日。
大体、現場を知らない厚労省役人出の教授の衛生管理話なんて、まあほとんど意味すらねんだろーし、本当にぱっとしたものがないなあ…。
と、そう思って眺めていたら、そのなかでこれ。
余りちゃんと捉えていない人が多そうですが、プロからすると、ちょっと毛色が違うことをやっている。
というのも、チェーン店の店舗衛生の実態をとりまとめてきた「安全」の大手プロと、「顧客満足」のコンサル屋による「安心」のプロが、「安全・安心」の話をするという。
いや、「安全」の上でどう「安心」を構築するか、という話をする、というわけです。
えーとですね、
このね、「安全」を踏まえた「安心」の話というのは、実のところ、なかなか見られません。
ただその一方で、それゆえに不安も感じます。
というのも、胡散臭いんですよ、「心」の話をする「安全屋」ていうのはメチャクチャ。
だって、そりゃそうですよね、データをベースにしてある種のバイアスの話をするわけですから。
しかも「安全」のプロと「安心」のプロの話は、どうしたって双方が中途半端にならざるをえません。
つまり結局は「安全」も「安心」もたる内容を得られない。
そういうもんです。
でも、それが無料セミナー。
「それ以上が聞きたかったらお金を払ってください、がっつり相談にのりますから」です。
だって、ぼくだってそうしますもん。
なので、まあそれなり程度の話なんだとは、思います。
そう思って、挑みましょう。
ひょっとすると、想像以上の拾いモノがあるかもです。

まとめ
今回は、明日から開催の「フードセーフティジャパン2021」についてお話いたしました。
なお展示物やセミナーの感想などについては、後日またお話したいと思います。
それじゃ皆様、会場で!
以上、このように、このブログでは食品衛生の最新情報や知識は勿論、その世界で長年生きてきた身だから知っている業界の裏側についてもお話しています。
明日のこの国の食品衛生のために、この身が少しでも役に立てれば幸いです。
