★公開日: 2021年9月26日
★最終更新日: 2022年5月15日

皆様、こんにちは。
食品衛生コンサルタントの高薙です。
ネット上でもオフラインでも、ここだけしか「絶対に!」聞くことの出来ない神髄中の神髄、「プロが本気で教える衛生管理」を日々、お教えいたします。

さて、皆さん。
お待たせいたしました。
いよいよここからが、防虫管理実践編です。

なお、基礎的な概要をすっ飛ばして最初から実践したい、というかたもここからどうぞ。

しかも今回は初回ということで、神回!

どん。
「誰でも出来る防虫対策」をお教えします。

これ、マジで普通に有料情報ですからね。
だって、これがっつりやられたら防虫業者に依頼しなくていいのですから。

それでは、早速はじめましょう。

今日のポイント:防虫対策の極意
  • まず、虫を「外部侵入要因昆虫」と「内部発生要因昆虫」とに分ける
  • その虫が「いきなり初めて見た虫」なら外部侵入要因昆虫、「何度か見た同じような虫」なら内部発生要因昆虫とする
  • 内部発生要因昆虫であれば、その条件を満たしている「餌」がどこかにあって発生要因となっているはずので、それを探して除去する
  • 外部侵入要因昆虫であれば、それを虫の生態から「飛翔性昆虫」と「歩行性昆虫」に区分する
  • 区分したそれら各々の「侵入リスク対策」を行う

 

特別版:プロ秘伝、「防虫対策」の極意とは

皆さん、お待たせしました。
ここからが、ガチな防虫管理実践編です。

これからいくつか行っていくステップがあります。
ですが、まずは実践の最初として、なんと。
有料情報クラスのお話をしてしまいましょう。

これどうしよっかなー、と思ったのですが、まあ、最初のサービスです。
しばらくはアップしておくとしましょう。

さて、どんな世界にも「極意」というものがあります。
それは当然、この衛生管理、防虫管理の世界にだってあるものです。

今回はなんと!
その「防虫対策の極意」をズバリお話してしまう、という特別な神回となっています!

んじゃいきましょうか。

防虫対策の極意は「外部侵入」と「内部発生」

さて、「防虫対策の極意」とは、一体何か。
それはズバリ、
「外部侵入」と「内部発生」から始まります。

はい、以前にお話しましたね。
リスクがどこで生じたか、で分けるのです。
つまり、「外部侵入要因昆虫」と「内部発生要因昆虫」です。

「虫」の分類
  • 外部侵入要因昆虫:管理領域外から入ってきた虫(リスク)
  • 内部発生要因昆虫:管理領域内で生じた虫(リスク)
「要因」(リスクマネジメント)から考える昆虫の分類
「要因」(リスクマネジメント)から考える昆虫の分類

つまり、外から入ってきた虫が「外部侵入要因昆虫」。
中で発生した、つまり工場や店舗の中で生まれて育って繁殖した虫が「内部発生要因昆虫」です。

さあ、そこまでは何となくイメージで、わかった。
でもその虫がどれにあたるのかが、わからない。
実を言えば、これが防虫管理の専門性の「ある・なし」なのです。
これを専門的にわかるから、PCO業者というプロがいるのです。

大丈夫、細かいことは専門家にまかせればいい。
皆さんは、ざっくりと、どんなものをどっちに分けるかでやるべきことがわかるはずです。
それもやれこの虫がどれそれ、なんて知らなくてもいいのです。

挿画:外部侵入?内部発生?

似た虫を何度か見たら「内部発生要因昆虫」

では工場や店舗で、どの虫が「外部侵入要因昆虫」で、どの虫が「内部発生要因昆虫」なのでしょうか。

ウチもそうでしょうが、インターネットというのは非常に便利です。
そういう虫の分類を細かく画像入りでやってくれているサイトは結構あるものです。
そういうのはそこにおまかせしましょう。

「防虫」、「外部侵入」、「内部発生」。
ここらでググってみてください。
やれカビから発生するのはチャタテムシで、穀粉の粉溜まりから発生するのはノシメマダラメイガで…なんて色々と書かれているところがヒットするでしょう。
なので、それを見るのもいいかと思います。

ですが、それを見てもようわからん。
そういう方が多いでしょう。
そこで、こうしましょう。

「虫」の分類
  • 外部侵入要因昆虫いきなり初めて見た虫
  • 内部発生要因昆虫何度か見た同じような虫

これでいいんです。
これ、マジでイケます。
20年以上の現場経験者のぼくが言うんですから間違いありません。

これで分ける根拠はいくつかあります。
サクっと説明しておきますが、何よりも「内部発生」という現象は非常に条件が限定的であり、また虫の種類が相当に限られる、ということです。
つまり、基本は条件も虫もレアケースだ、ということです。
そしてその限定条件にあった虫だけが、発生できる。それ以外は内部発生ができない。
そういうものであって、むやみやたらになんでも発生が出来るわけではないのです。

そしてそれ以外、初めて見る虫というのはほとんどが外から入っている。
まずはそう思っていいでしょう。

内部発生する場所を知る

次に、似たような虫を見るぞ、という場合。
「内部発生」、つまりはレアケースです。
レアケースだから、そういうレアなケースを起こしている、そういう特殊な条件を揃えている「場所」=要因が必ずどこかに、あるはずです。

虫の生息条件、つまりはレアケースを揃える条件は次の通りです。

昆虫の内部発生条件
  • 温度
  • 棲みか

これが揃うと、虫は内部発生するのです。
逆になければ内部発生はしませんので、それを除いてやることで虫の発生を防ぐことが出来る、というわけです。

しかも、とくにこの中で断然重要なのが「」という条件です。

なぜか。
どんな虫だって水は必要ですし、棲みか、まあ最低限生きている場所は必要です。
温度だってそんな大きく極端には変わりません。温かいほうが虫の生息には適しているし、寒いと活動は衰えます。
ですが、「餌」はごまんという虫のそれぞれが、違っているからです。

だからその虫にあう「餌」がないと虫は発生できないのです。
逆に言えば、場内のそこにある「餌」の種類や状態によって発生する虫が変わってきます。
そしてその餌がなければ、いくら他の要素があっても、大概の場合は内部発生ができません。
そしてその「餌」の有無というのは、それぞれの工場や店によって変わってくるものです。

ですから昆虫の内部発生にはこの「」が大きく関わっており、プロしかりほとんどのケースがその「」をヒントに探すことが多いからです。

さて、これらをもとに内部発生の最大条件「餌」がどこにあるかを見てみます。
「餌」の場所は次のものです。

内部発生が生じる場所と発生しやすい昆虫例
  • 滞留汚水:コバエ類(チョウバエ類、ユスリカ類など)
  • 食品残渣、食品片:コバエ類その他
  • カビ:チャタテムシ類、ヒメマキムシ類、トビムシ類など
  • 結露水:チョウバエ類、チャタテムシ類など
  • 食品腐敗物:コバエ類(ショウジョウバエ類、ノミバエ類、ハヤトビバエ類など)
  • 腐敗木材:クロバネキノコバエ類など
  • 廃棄物:コバエ類その他、クロゴキブリなど
  • 粉溜まり:貯穀害虫(シバンムシ類、メイガ類、ヒラタムシ類など)
  • 発熱部(機械のモーター部、温水管、配電盤内、洗浄機内、など):チャバネゴキブリ

これ、重要!
こういう場所をチェックすれば、内部発生がみつかるはずです。
またこれらでもし心当たりがあれば、そのときにこそ初めてプロに頼めばいいのです。

いずれにしたって、先の条件を満たすことで、つまりはとくに「餌」の条件を満たしているから「内部発生」しているのですから、その条件の「餌」をなくせばそれらの昆虫は内部発生ができなくなり、自ずといなくなります。

なお以前に「内部発生はどうして起こるのか」についても解説しています。
ここに詳しく書いておいたので、これより細かいことはそちらを参考にしてみてください。

挿画:内部発生の三条件

外部侵入している場所を知る

さて一方、「外部侵入要因昆虫」についてはどうか。
こっちでは、虫をその生態から2つに分けます。
これも見方としては、結構シンプルに考えてみましょう。

外部侵入昆虫の分類
  • 飛翔性昆虫(飛んで移動する虫)
  • 歩行性昆虫(歩いて移動する虫)

羽があって飛べる虫なのか、ではなく歩いている虫なのか。
これだけで分類すればいいです。

で、分類したらどうするか。
それぞれの生態や「要因」が違うので、自ずと「対策」が変わります。
だからこそこうして飛翔性昆虫と歩行性昆虫を分類しているのです

「飛翔性昆虫」の対策
  • 環境リスク対策:排水、植栽、落葉、汚水処理、光誘引などへの生息防止対策
  • 侵入リスク対策:間口(ドア、シャッター、窓)、隙間、破損部などへの侵入防止対策、あるいは気流対策
  • 拡散リスク対策:ライトトラップなどによる拡散防止対策
  • 発生リスク対策:(内部発生参照)
「歩行性昆虫」の対策
  • 環境リスク対策:土壌、植栽、落葉など、付近20m環境あるいは敷地内での生息防止対策
  • 侵入リスク対策:床面の隙間(ドア下、シャッター下、配管隙間、床下)、壁面などへの侵入防止対策、持ち込み防止対策
  • 拡散リスク対策:同上
  • 発生リスク対策:(内部発生参照)

なお各リスク対策については、前回までを参考にしてください。

4つのリスクのための防虫対策イメージ
4つのリスクのための防虫対策イメージ

ここでのポイントを、それぞれ飛翔性昆虫、歩行性昆虫について解説しておきます。

まず外部侵入による飛翔性昆虫は、シンプルに移動能力が高いので基本的に数が多いものです。
なのでその絶対数をへらす、という対策が有効です。

そこで重要なのが、その意味で有効な「侵入リスク対策」です。飛翔性昆虫対策といったら、まずこの「侵入リスク対策」が鉄則です。
気流については割と大掛かりになるので、後に別で扱います。

同時に、効果が非常に高いのが「拡散リスク対策」としてのライトトラップによる捕殺です。
これは光に誘引されて入ってきた虫を、光によって効果的に誘引して捕殺する、という意味で効率がいいからです。
外部侵入の飛翔性昆虫については、これらを行うといいでしょう。

一方で、歩行性昆虫については、そもそも土壌にいることが多い虫だということで、工場や店舗の周りの土壌に関わることが多いです。
それと、歩いて入ってくるのですから、床下の隙間などが大概問題になりがちです。
よってそれらの対策が有効です。

挿画:4つのリスク

まとめ:防虫対策の極意

今回は神回!
実践編の第一弾として、プロ中のプロが防虫対策をどのように行うか、について、なんと。
その「防虫対策の極意」をお話してしまいました。

今日のポイント:防虫対策の極意
  • まず、虫を「外部侵入要因昆虫」と「内部発生要因昆虫」とに分ける
  • その虫が「いきなり初めて見た虫」なら外部侵入要因昆虫、「何度か見た同じような虫」なら内部発生要因昆虫とする
  • 内部発生要因昆虫であれば、その条件を満たしている「餌」がどこかにあって発生要因となっているはずので、それを探して除去する
  • 外部侵入要因昆虫であれば、それを虫の生態から「飛翔性昆虫」と「歩行性昆虫」に区分する
  • 区分したそれら各々の「侵入リスク対策」を行う

いやあ、つくづく神回だわ…。
業者マジ泣き。これ有料じゃなくて、いいのかよ…。

実を言うとこれ、実は前に別のところで「防虫対策の極意」としてまとめたものだったりします。
(この記事も後でそうやってまとめるかもしれません)

いずれにせよ非常に有益な記事となっていますので、どうぞぜひともよく読んでみてください。

さて。
今回はタイトルにもある通り、これらは「防虫対策」の極意です。
つまり、防虫管理の実践編では、実はありません。
では、防虫管理はどう始めればいいのか。
それについては次回の【15】からまた再開していきたいと思います。

なので、そちらについてもこれから先、さらに実践度を増していきます。
どうぞ読み漏らさないようにしていってください。それでは。

 

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