★公開日: 2021年8月27日
★最終更新日: 2021年8月27日
皆様、こんにちは。
食品衛生コンサルタントの高薙です。
これからネットでも何処でも、ここだけしか「絶対に!」聞くことの出来ない神髄中の神髄、「プロが本気で教える衛生管理」をお教えいたします。
記念すべき1回目は、「管理」についてのお話です。
「防虫管理」というけれど、そもそも「管理」ってなんだろう。
衛生管理ともいうけれど、そもそも「管理」ってなんだろう。
これが明確にわかっていないと、その一番の土台の上に作るものもグダグダになってしまいがちです。
なので、実はこれが一番重要な、最初の一歩となるのです。
それでは、早速はじめましょう。
今日のポイント |
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「管理」とは何か
改めまして、皆様こんにちは。
食品衛生コンサルタントの高薙です。
今回は初回ということで、基礎中の基礎についてのお話をしたく思います。
余り他で言われない、でも最も重要なお話です。
ちなみにこれは、昔ぼくが勤めていた大手PCO会社の中ですら、ちゃんと理解していた人はいませんでした。
尤もぼくが教育していた部下に対しては、徹底してこれらの根本を毎日叩き込みましたがね。
さて。
最初に、私は、「防虫管理」と言いました。
それから、「衛生管理」とも言いました。
で、ですね、
まず最初に重要なのは、
んじゃ
「管理」ってなんですか?
ってことなんです。
皆さん、これから先を急いで読み進めるまえに、ちょっとここで止まってください。
そして、3分でいいですから、一旦手を止めて、目を画面から離して、ちょっとだけじっくりと考えてみてください。
そして出来るだけ言語として、「管理」というものを説明してください。
いいですか?
はい、問題はこれです。
問題 |
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チク、チク、チク、チク、チク…。
………。
はい。
3分経過しました。
どうでしょうか。
自分なりの「管理」という説明が出来たでしょうか。
それが説明出来なければ、これから始める「衛生管理」も「防虫管理」も始まりませんよね。
だって「管理」というのがよく判っていないんですから。
少なくとも、ぼくの、わたしの「衛生管理」とは「防虫管理」とは、こういうことだ。
そういう軸がしっかりなければ、ただ何となくそれっぽいことをやって、それっぽくウワッツラだけ整えて、はいコレです、と薄っぺらいものが出来ることでしょう。
だって、本質を踏まえていないんだから当たり前です。
しかもこれ、そうそう書かれているものでもありません。
だからPCO業者さんもやってきては、やれ工場の防虫管理はモニタリングが云々、と大概始まります。
違うんです。
そんなものは「管理」のツール(手段)でしかない。
「手段」の前に、何をするのか。そこをしっかりと踏まえる必要があります。
そこで一つ、少なくとも食品衛生における「衛生管理」というものは、そして「防虫管理」というものはこういうものだ、という解答を答えましょう。
よろしいでしょうか、
「管理」、というからには
①まず「目的」があって、
②それを果たせうる「目標」があって、
③それに向かうための「方針」がなくちゃいけない。
まずはこのように、一番最初の基本中の基本を定義しておきましょう。
「管理」に必要なもの |
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いかがでしょうか。
「管理」には常にその最低条件として、ある「目標」があって、そのためにそれを果たせうる「目標」があって、そしてその目標に向かうための「方針」というものが、まず必要だ。
逆に言うなら、「目的」も「目標」も「方針」もないものを、「管理」と言っちゃいかんのです。
まずはここが、スタートなんです。
じゃないと、軸がブレてぐだぐだになりかねない。
あまり抽象的な話ばかりだと、ちょっと頭がついてこないかもしれませんので、その「抽象」をこの「防虫管理」という具体に落とし込んでみましょう。
もしこうした「目標」や「方針」や「目的」が曖昧だったらどうでしょうか。
どの位の虫の数量をもってよしとしていいのか評価軸が判らなくなるから(「目標」が不明確だから)、例えば清掃対策にしたって補修工事にしたって薬剤使って駆除したって、そのやり方(「方針」)がいいのかどうかもわからないし、それだから工場の昆虫による汚染リスクを軽減させるという「目的」も達成されない。
だからこそ、ここをしっかりと押さえる必要があります。

「管理」の三大要素、「目的」「目標」「方針」
実はこのことは「管理」なら、なんでも共通する話です。
例えば、「健康管理」なら、
- 「健康になるため(目的)」に
- 「何キロやせる(目標)」
- そのためには「糖質を制限する(方針)」
とかね。
それすらもない、やみくもなものを貴方は「管理」している、て言えますか、というお話でして。
そのため、「管理」というからには、まずはここをしっかりと押さえておくことが重要です。
まずは少なくとも、工場での衛生リスクを減らす、その「目的」のため、数値「目標」をしっかり設定する。
そして、その「目的」と「目標」のために、ある「方針」に沿って、
「計画(P)」し、「実行(D)」し、「チェック(C)」し、
その結果に基づいて「是正(A)」する。
つまり、それらに向けて「PDCAサイクル」を進める。
これが「管理」の根幹です。
そう、マネジメントシステム、つまりは「”管理”の”仕組み”」の根幹が、実はここにもあるのです。
それは「防虫管理」だろうと、全く変わりません。

まとめ:「管理」とは
最初の1回目のお話は、防虫管理の「管理」についてです。
今後何度も出てきますので、都度都度お話しますが、まずはこれをよく覚えておいて下さい。
これをしっかり踏まえているかどうかで、全てが大きく変わってくるといっても過言ではありません。
「管理」とは |
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いかがでしょうか。
少しばかりは、「防虫管理」というものの、主軸が見えてきはしませんか?
おっと、最後に一点だけ付け加えておきます。
数回の後にお話が出てきますが、
もう1要素、管理に必要なもの。
それは
「対象(領域)」
です。

上の図をもう一度見てください。
下に○で括っているもの、それが管理の「対象(領域)」です。
何を、どこを、誰を「管理」するのか。
逆に言えば、どこまでを「管理」するのか。
その管理の「対象」、「領域」というのが、自ずと必要になります。
例えば、工場での防虫管理だったらその「領域」は工場内になりますし、
先の健康管理であれば、それは自分自身の体や生活環境、となります。
逆に言うなら、その「対象(領域)」以外は「管理」することが出来ません。
ということは、「管理」とはある定められた対象について行う行為なのだ、というわけです。
なぜこのような領域を定めるのか。それはまた後の話として出てきますので、今は頭の片隅に置いておいてください。
以上、このように、このブログでは食品衛生の最新情報や知識は勿論、その世界で長年生きてきた身だから知っている業界の裏側についてもお話しています。
明日のこの国の食品衛生のために、この身が少しでも役に立てれば幸いです。
