★公開日: 2021年8月25日
★最終更新日: 2022年5月15日
はじめまして、皆様こんにちは。
食品衛生コンサルタントの高薙(たかなぎ)です。
これから、ここだけしか聞くことの出来ない神髄中の神髄、
「プロが本気で教える衛生管理」を、毎日皆様にお教えいたします。
その前に、ほんの少しですがご挨拶をかねて、食品における「衛生管理」について簡単なお話をさせていただきたいと思います。
まずは、「食品工場(飲食店も同様です)の防虫管理」を業者に委託するとき、どう考えればいいかについて、その裏側を含めてお話いたしましょう。

Contents
「現場から離れない」という重要性
私は数年前まで大手の某衛生管理業に、15年以上勤めていました。
結果、この仕事についてもう20年以上になります。
随分と長くこの世界に居てしまったなあ、と今更ながら感慨深いのですが(笑)、これはつまるところこれまで20年間以上、来る日も来る日も工場や飲食店などの現場を回ってきたということになります。
時に防虫管理(これがその多くですが)、時に衛生管理の指導や異物混入対策指導、或いは微生物検査、現場監査などなど…。
それこそ、大手の食品メイカーから小さな店舗に至るまで、手がけた企業さんはとても三桁ではきかないでしょう。
はっきり言いますが、これだけ長く現場にい続けている衛生管理屋のプロは、日本にそうはいません。
何故なら、そもそもこの業界自体が余りにニッチであり、またそれにおいてすら、大概は現場から離れ、管理職や事務職、或いは先生などと呼ばれて、どんどん現場から離れていくからです。
現場は、一年離れると、カンが鈍ります。
現場は、三年離れると、知識が離れます。
現場は、五年離れると、全く判らなくなります。
これは間違いない、真実です。
と同時に。
その一方で、職人さんと呼ばれるほどの古株の現場員はそうであるほど、古い手法しか知りません。
「豊かな現場経験」と、
「新しい食品衛生管理の知識」。
つまり、ノウハウと経験値、情報と引き出しのそれぞれを兼ね備えたものが一流のプロの条件、であるわけです。
しかしこれらの資質を備えた食品衛生のプロは、実は驚くほど少ない、というのが実情です。

貴方の現場はどのような業者に管理委託されているのか
例えば食品工場で、防虫管理をお願いしよう、あるいは相談しようと業者さんに声をかけるとします。
その結果、大概次のような業者さんが来ることになります。
大手PCOの専業営業マン
例えば、日々の防虫管理を大手PCO(ペストコントロール)業者に依頼するとします。
高い確立で、貴方のところに来るのはスーツを着た営業マンです。
彼等は責任がないから、都合いいことしか言いません。
だって、あなたの現場に携わるのは、その会社の下請けだからです。
彼等の仕事はうまく契約を結んで、現場スタッフに受け渡すことだけ。
この手の話は大手のPCO、衛生管理屋によくありがちです。
大手PCOの営業兼現場スタッフ
人によりけりでいい人材もいるが、しかしそのムラは非常に大きいです。
何せ、この世界の業務は、未だに「属人的」です。
「業者の良し悪し」は、「会社」の良し悪しではなく、大概が「担当者」の良し悪しであることが多いものです。
それにどうせならと若手の担当者を好む人は多いかもしれませんが、その多くは若くて経験が浅く、私からすれば技術力が弱い(20代は要注意)。
何せ、真っ当な技術スタッフになるには、普通5年以上の経験が必要です。
こんなのどこの世界も一緒だと思いますが、一人前になるにはそのくらいの年数の経験が絶対に必要です。
そして身も蓋もない、現実的なことを言います。
あなたの現場は、大規模でしょうか、それとも小規模でしょうか。
あなたの委託予算はどのくらいを考えているでしょうか。
ごく一般的な話をしましょう。
年間60万円の委託契約。
およそこのくらいを線引に、担当者のレベルが替わります。
まともな担当者を望むのであれば、このくらいが必要です。
そりゃそうです、PCO業者は会社ですから、大手取引先を当然ながら優遇します。
例えば、あなたが管理職であるとしてもし部下に役割を任せるとき、契約額の大きい大手顧客とそうでない小口の顧客と、どちらに優秀な社員を担当につけるでしょうか。
どこの企業でも、どこの業界でも、それは一緒なのです。

駆除屋のベテラン職人
小規模のPCO、害虫駆除屋さんによくある話です。
技術力は確かに凄いが、食品工場の衛生管理にはてんで疎い。
要するに、古いタイプの駆除屋です。
ネズミの駆除をしたい、ゴキブリの駆除をしたい。
こういうときには最適だと思います。
価格もお手頃でしょうし、腕もあることが多いです。
正直、ぼくよりそっちの力量は高いと思います。
実際、ネズミの本当のスペシャリストというのは本当に凄いです。
ぼくも昔一緒に働いていましたが、彼らは一流の「職人」です。
現場調査一発で、ネズミがここから入ってきて、このくらい生息していて、そのためにこうすればいい、というものをかなり的確に言い当てます。
ぼくも昔は彼らに随分と教わったものです。
ただし、最新の食品衛生情報や業界同行などは、全く!判りません。
そういう人達では、ありません。
期待するのは絶対にやめておきましょう。あくまで彼等は「駆除の職人」なのです。
元QC、或いは工場経験の、衛生管理先生
頭はいいし、専門知識もあるでしょう。
しかし、現場、或いはPCOについてはただの素人。
本や昔専門家から教えてもらったような知識しか持ち合わせていません。
寧ろ、知ったかぶりをするのでタチが悪いことが多々あります。
やれこれは内部発生だ云々、とかね。
なので、ろくな知識もないのに知った顔をして効果が出ないことがめっちゃ多いです。
ぼくらからすれば、完全にド素人です。
兼業のスタッフ
清掃業者、メンテナンス業者、洗剤業者など、別の業種の専門家ですね。
論外です。
彼等はアマチュアであり、とてもプロとは呼べません。ていうかそもそもとして、プロじゃないのです。
なので技量を求めることにムリがあります。
だって本職がそうじゃないんですから。
そういう場合は、格安だったりすることが多いです。
だって、専門家じゃないんだから。
要するに、「安かろう悪かろう」。
そんな甘いものでもないですし、世の中ある程度の技術を求めるなら当然それ相応のコストが当たり前ですが、必要です。
逆に、「安かろう悪かろうでもやればいいんだ」というのだったら、そういう選択もあるでしょう。
ぼくは絶対に勧めませんが。

もし委託するならどの選択肢にするか
いかがでしょうか。
これらの中なら、二番目の「衛生管理業の営業兼現場スタッフ」が、まあ妥当でしょうね。
貴方が、結果ではなく心地よく持ち上げられることにだけにお金を払いたいなら、最初の「衛生管理業の専業営業マン」もアリでしょうが、でも結果についてはわかりかねます。
だってこの人、結果に関係ないですから。
もし、ネズミやゴキブリの駆除だけをお願いしたい。
そういう場合なら、「駆除屋のベテラン職人」は悪くないと思います。
ですが、あくまでPCO業者に頼んで運良くそういう人が来てくれれば、の話です。
大概、いやほとんどは、来てくれません。
「衛生管理先生」は、権威(ハク)だけが欲しい企業さん向けです。
尤もこんな名ばかり素人来て意味あるんですかね。
「兼業のスタッフ」は、お金がないから形だけあればってところ向けです。
安かろう、悪かろう。でもそれなりの対価を払ってないんだから、それ以上を求めるのが無理ですよね。
値段は相応、ってことです。
さて、私はといえば。
「衛生管理業の営業兼現場スタッフ」を15年以上続けて、突き詰めてきたがゆえにプロ中のプロになった、といったところです。
寧ろその現場好きがこうじたせいで、サラリーマン時代には出世から外れてしまっていましたが(笑)、
しかし一方でそんなプロ中のプロである私だからこそ、提供出来るサービスや情報、知識があるだろう、
そう思って独立することに決めました。

「このモチ」は「このモチ屋」であるということ
おっと、私のことはさておいて。
ここで、本当のことを言います。
「モチはモチ屋」、なんです。
どの世界も、そしてこの世界も。
で実はここが大事なんですけど。
モチといっても、実は1種類じゃない。
モチには実は種類が一杯あって、ただモチ屋に行けばいいかっていうとそうでもない、
しかもこの世界のモチってすんげーありますよ、
だったらあなたはどのモチをお探しですか、
そのモチの専門店に行くべきじゃないんですかって、
そういうことなんです。
言ってみれば、
モチ屋の「このモチ」は「このモチ」屋、なのです。
当然、私だって同じ「あるモチ」屋の1人です。
例えば私は、ネズミやゴキブリ、あるいは一般家庭のシロアリ駆除やスズメバチ駆除だってやろうと思えば出来なくはないです(昔は私も実際に現場でやってました)が、そればかりに特化した「このモチ屋」さんにはとてもじゃないですが、かないません。
なので、私がもしお客さんの立場なら、迷わずそっちのモチ屋さんに頼みます。
貴方が欲しいのはどのモチなのか、
これが大事です。

「ここのモチ」は、工場の衛生管理と防虫管理である
さて私の「このモチ」は、工場(食品や医薬品、化粧品、食品容器など)の衛生管理と防虫管理、HACCP等マネジメントシステムです。
工場で虫が出た、或いは虫をなんとかしたい。
或いは、虫も含めた異物混入について、なんとかしたい。
微生物に対しての管理を強化したい、
或いは、衛生管理ルールを、なんとか回せるようにしたい。
従業員教育のレベルを高めたい。
伊達に現場経験を20年以上やっていませんので、これらのことに関しては、誰にも負けない自信があります。
HACCP認証にはどうすればいいのか。
総合的な工場の衛生管理レベルの底上げをしたい。
衛生管理システムの導入・構築をしたい。
こうしたご相談も、コンサルタントとして自信があります。
そして。
ここでは、そんな一流のプロならではのノウハウを、皆様に伝えていければと思っています。
ここでの知識や情報が、皆様ご自身の食品衛生管理に、役立てていただければ幸いです。
挨拶ついでに、最後にあと一言だけ。
投げっぱなし、任せっぱなしにしたい、というなら、ぼくよりいいところがあるでしょう。
私はお客さんに一緒に育ってもらいたい、一緒に工場の衛生管理を作り上げていきたい、と考えています。
食品衛生管理について、それこそ私を必要としないくらいの知識を持ってもらいたい。
(まあ私レベルになるのには10年以上かかりますが笑)
これがウチの信条です。
そしてここは、そのためのブログです。
どうぞ一つ、今後ともよろしくお願いいたします。